「以前読んだ本が今になってよくわかる!」
そんな経験で是非皆さんに読んでいただきたい本の内容をまとめています。
前回からの続きです。
順天堂大学医学部教授
小林幸弘
②後編
の3回に分けてお伝えします。
ゆっくりを続けていくための生活習慣
無意識で行っている毎日の習慣を意識してゆっくりした動きに変えてきましょう。
1.朝の過ごし方に気を付ける
(1)これまでより30分早く起きる
(2)いきなり起きるのではなく、簡単なストレッチやツイスト運動を行って起きる
簡単な運動が「睡眠モード」から「起きるモード」へ緩やかにシフトチェンジしてくれます。
(3)外の光を見るためにカーテンを開けて空を見る
外の光を見ることは体内時計のズレを修正してくれます。
空を見ると気道がストレートになります。
(4)バナナ1本だけでもよいので朝食をとる
(5)ゆっくり歯を磨く、鏡を見ながら口角をあげてニコッと笑う
口角をあげるだけでも副交感神経の働きが上がります。
(6)ゆっくり支度して、ゆっくりドアを開けて出かける
朝のゆっくりによる心の余裕がその日のクオリティー・オブ・ライフを左右します。
2.玄関のメモで忘れ物を防ぐ
忘れ物であわてた時は呼吸が速くなり自律神経のバランスが乱れます。
絶対忘れてはいけないものをメモして、玄関のドアに貼っておき、出かける前に見るようにします。
人間は内の世界から外の世界にでるとき、動きが速くなりがちです。
そんな時にもう一度ゆっくりを意識するのです。
内から外の境界であるドアは重要です。
3.約束30分前を意識する
30分時間に余裕を持たせるだけで、ゆっくり行動できるので
肉体的にも精神的に良い効果があります。
30分が無理な場合はせめて「約束10分前の法則」を意識すとよいでしょう。
4.1日30分自分だけの「ゆっくりタイム」を作る
趣味の絵を描く、お気に入りのカフェで好きな本を読む、自分の部屋でゆっくり好きなテレビを見る、好きな音楽を聴くなど
30分のゆっくりタイムを作るだけで人は自然にそのほかの時間をだらだらと過ごすことが無くなります。
5.週に一回、早く帰る日を作る
6.午後に1回ストレッチタイムを作る
7.夕食後の散歩を習慣にする
8.翌日の洋服は、必ず前日のうちに準備する
朝は脳が冴えて生産性が高いゴールデンタイムです。
1分でも洋服の準備に使うのはもったいない!
9.一日の終わりに日記をつける
①まずその日に一番失敗したことを書く
②次に一番感動したことを書く
この順番で書いた日記にはデトックス効果があります。
日記は過去を書いているようで実は未来への扉を開くツールなのです。
日記を書くことで自律神経が整います。
「質の良い睡眠をとる」ことが大事
筆者は
朝起きると疲れが取れてスッキリしている睡眠をリラクゼーション型睡眠
長い時間寝ても疲れが取れない睡眠を緊張型睡眠と呼んでいます。
緊張型睡眠は副交感神経がうまく機能していなません。
睡眠中にかかわらず血管が収縮し、力が入ったままで体が興奮した状態です。これでは、疲れが取れにくく睡眠障害を引き起こしかねません。
昼間の活動は交感神経を刺激する傾向にあります。夜は副交感神経の働きを高めるようつとめるべきです。
寝る前はゆっくりを心がけ、交感神経を刺激するもの(スマホやパソコン)を避けようにしましょう。
1.仕事は早めに切り上げる
夜、疲れた状態の3時間の仕事より、質の良い睡眠をとった後の朝の1時間の仕事の方が質・量ともに断然勝っている
このことを頭にいれてください。
2.ゆっくりお風呂に浸かる
ちょっとぬるめのお湯に15分浸かります。
最初の5分は首までつかり、
残りの10分はみぞおちまでつかります。
入浴後はコップ1杯の水を飲みます。
夜のお風呂は自律神経のバランスを整え、質のいい睡眠にもっていく手段でもああります。
熱すぎるお風呂は交感神経を引き上げるので逆効果なるので注意してください。
シャワーだけというのは絶対に避けてください。
シャワーだけですと深部体温がさがったまま、副交感神経の働きがガクンと落ちる為、
質の良い睡眠をとりづらくなります。
3.ゆっくりねる
目覚まし時計をセットして明かりを消して布団に入るまでの一連の動作をできるだけ「ゆっくり」を意識してしましょう。
これで呼吸がゆっくりなり睡眠の質も上がりやすくなります。
翌週の「ゆっくり」を作る休日の過ごし方
翌日からの1週間を充実させるためには、休日最終日の夜の過ごし方が大切です。
休日最終日の夜に1週間の準備をします。
1週間の予定をチェックして、翌日の洋服と持ち物の準備をします。
軽いストレッチで体をほぐすことも大事です。
準備することで余裕が生まれ、自律神経が整い、気持ちよく一週間の最初が迎えられ、その後の一週間が落ち着いて過ごせるようになります。
「ゆっくり」は自分も周りも幸せにする
自律神経のバランスは周りに伝染します。
スポーツで一つのミスで動揺すると別の人に影響することがよくあります。
これは自律神経の乱れが伝染してミスがミスを呼んているのです。
名医と呼ばれる人の手術を例に説明します。
名医が手術室に入ると周りの人が一瞬のうちに落ち着きます。
立ち振る舞いのすべてがゆったりと落ち着いています。
それが周りの人の自律神経のバランス整えます。
周りの人の力を引き出し、自分の世界まで引き上げているのです。
その雰囲気によって自分のペースをも作り出しています。
名医と呼ばれる人は、人並み外れた努力と研究、卓越した知識と技術を備えています。
そのレベルにいなくても、「ゆっくり」を意識して行動するだけなら誰でも今からすぐにできます。まずは「ゆっくり」を実践することから始めましょう。
医者である筆者は
「医者が笑顔でいる、つまり医者の自律神経が整っていれば整っているほど、患者さんの直りが早くなる」
と感じています。
医者の笑顔でゆっくり不安を取り除く口調で話すだけで、患者の自律神経が整い見違えるようによくなることが多々あります。
自律神経が安定した人は、自分だけでなく周りの人も幸せにしています。
お母さんが落ち着くと子供も落ち着く
親が子供に早く早くとせかすのは逆効果です。
せかされている子供の方はすでに十分焦っています。
自律神経のバランスが乱れているせいで自分の力を発揮できず、早く動きたくても動けない状態です。
どうしても早くといわなければならない時は「ゆっくり」を意識して
落ち着いて「早くしなさい」というだけで自律神経に与える影響は全く違ってきます。
怒ることはデメリットしかない
怒ると相手に不快感を与えます。
相手は身構えて話が頭に入ってこないので何も変わりません。
相手の為に怒っているつもりでも全く相手の為になっていません。
自分と相手双方の自律神経のバランスが乱れるのでデメリットしかありません。
怒りそうになった時ほど特に意識してゆっくりとていねいな言葉で話すことを心がけましょう。
以上、2回に分けて本の内容をまとめました。
この本を最初に読んだのは5年以上前です。正直、当時は読んでもあまり心には残りませんでした。本を買ったことも忘れていた程です。
しかし、いま私は整体師としてゆっくり優しい施術で、患者様の自律神経を整えようとしています。
「博多あんしん整体院」が用いる「自然正体法」とあまりに共通点が多いことにビックリしています。
この本を読むことで施術だけではなく患者様に対する話し方、接し方、仕事以外の過ごし方などすべにおいて参考になりました。施術以外の部分で「ゆっくり」を意識して動くことで施術と私自身の一貫性が生まれてきそうです。
本当に良い本だったと思います。
お電話ありがとうございます、
博多あんしん整体院でございます。